アナウンサーと聞くと、多くの人はニュース番組で原稿を読み上げる姿を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、原稿チェックやナレーション、現地取材、スポーツ実況など、幅広い業務を担っています。
この記事では、アナウンサーの仕事内容やキャリアパス、必要なスキルについてご紹介します。アナウンサーに興味のある方やすでに目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
アナウンサーの仕事内容
イメージしやすい仕事ですが、実際には多様な業務があります。志望理由を整理するためにも、具体的な仕事内容を把握しておきましょう。
原稿チェックや読み上げ
アナウンサーの大切な仕事のひとつがニュース原稿の読み上げです。ただ読むだけではなく、事前に原稿をしっかりチェックしておくことが欠かせません。言葉のイントネーションや文章の流れを確認して、声に出しながら練習することで、本番でも落ち着いてスムーズに話せるようになります。
専門的な内容が出てきたときは、用語や背景をあらかじめ理解しておくことが大切です。そして実際に読み上げるときは、発音の明確さや区切りの位置に気を配りながら、聞き手に分かりやすく、正しい情報を届けることが求められます。
ナレーション・司会
アナウンサーはニュースを読むだけでなく、CMのナレーションや番組、イベントの司会を担当することも少なくありません。CMナレーションでは映像を声で補い、商品の魅力を伝えます。
ドラマやドキュメンタリーではストーリーを語りかけるように読み上げる場面もあり、声のトーンや雰囲気ひとつで伝わり方が大きく変わります。そのため作品ごとに表現を工夫することが大切です。
また、番組やイベントの司会では、出演者に話を振ったり流れを整えたりする対応力が欠かせません。特にリアルなイベントでは、幅広い世代の参加者を前にアドリブで対応する力も求められます。
実況や現地取材
アナウンサーの仕事には、スポーツの実況やリポーターとして現場に出向くことも含まれます。その場で起きている出来事を伝えるだけでなく、試合や取材対象の見どころを分かりやすく解説する役割もあります。こうした現場では事前に原稿が用意されていないことが多いため、臨機応変な判断力が欠かせません。
また、相手にどんな質問を投げかければ核心に迫れるのかを考える力も大切です。リアルな現場感をそのまま伝えるためには、観察力や瞬発力に加えて、質問力を磨いておくことがアナウンサーに求められるのです。
アナウンサーになる方法とキャリアパス
アナウンサーを目指すには、専門的なスキルを磨きながら正しい方向で努力を続けることが欠かせません。発声や滑舌といった基本的な能力に加え、正しい日本語や表現力、臨機応変に対応する力なども必要です。
ここでは、アナウンサーになるための代表的な方法とキャリアパスについて解説します。
学校やスクールに通ってスキルを身につける
まず、多くの人が選ぶのは学校やスクールでスキルを身につける道です。発声や滑舌は独学でもある程度習得できますが、効率的に学ぶなら大学やアナウンススクールに通うのが有効です。プロの講師から直接指導を受けられるのはもちろん、就職に役立つ情報や人脈を得られる点も大きなメリットです。
特にテレビのキー局では「四年制大学卒」を応募条件としている場合もあるため、将来の選択肢を広げる意味でも大学進学を検討する価値は十分にあります。
大学や学部は関係ある？ミスコンは有利？
では大学や学部の選び方はアナウンサーにどの程度関係するのでしょうか。採用試験では「四年制大学卒」であることを条件にする局は多いものの、特定の学部を必須としているところは少ないのが実情です。ただし、文学部や外国語学部など、言語力や表現力を鍛えられる環境はプラスに働く可能性があります。
また、一部の大学ではミスコン入賞者がアナウンサーとして採用される例もあり、知名度や実績が評価につながるケースも存在します。とはいえ、最終的には伝える力や人柄といった基本的な資質が重視されるため、学歴や経歴だけにとらわれず、幅広い力を養うことが大切です。
就職・フリー・他職からの転身という3つのキャリアパス
アナウンサーとしてのキャリアパスは大きく三つに分けられます。
最も王道なのは、テレビ局やラジオ局の採用試験を突破して局アナウンサーとして働くルートです。ニュースや番組を担当し、安定した環境で経験を積めることが魅力です。
次に多いのが、芸能事務所に所属して活動するフリーアナウンサーです。局アナとして経験を積んだのちに独立してフリーに転向するケースも多く、仕事の幅を広げられる点が特徴です。
そして近年増えているのが、声優やタレントといった他職からの転身です。声の仕事や表現活動を通じて培ったスキルを活かし、アナウンサーへとキャリアチェンジする人も少なくありません。
どの道を選ぶにしても共通して求められるのは、基礎スキルと実践経験です。正しい日本語や聞き取りやすい発声はもちろん、現場での対応力や取材時の質問力なども重要です。
アナウンサーは単にニュースを読むだけではなく、現場に立ち会い、その瞬間を分かりやすく伝える存在です。そのためには日々の練習や経験の積み重ねが欠かせません。
アナウンサーに必要なスキル6選
アナウンサーが選考や実務で求められる、おもなスキルをご紹介します。多くのテレビ局に求められるスキルをご紹介するので、それぞれ確認しておきましょう。
- 発声や滑舌
- 正しい日本語
- 表現力
- 対応力
- コミュニケーション能力
- 表情・顔の印象管理能力
発声や滑舌
アナウンサーは業務で話す力を求められるので、基本的なスキルである発声や滑舌が大切になります。情報を正確に伝えなければならないので明瞭な発音や滑舌、正しいイントネーションが求められます。
これらのスキルは練習によって改善できるので、スクールなどを活用して正しい発声を身につけましょう。
正しい日本語
正しい日本語とはいわゆる「標準語」のイントネーションのことで、地域による訛りがなくストレスなく聞き取れる読み方のことをいいます。キー局への就職を考えている方には、特に求められるスキルです。
地方出身の方はイントネーションの壁にぶつかることも多いので、早めに矯正するようにしましょう。
表現力
アナウンサーは情報を理解して分析した上で、自分の言葉で聞き手に伝える表現力が不可欠です。情報を伝えるために正確で品格のある言葉を使用することや、場面に合わせて感情を伝える能力も必要になってきます。
表現力を高めるためには知識や語彙力なども求められるので、日頃からさまざまな情報に触れることを意識しておきましょう。
対応力
生放送の番組でアナウンサーを務める場合、トラブルなどの不測の事態に対応する力が求められます。不都合が起きたときでも焦らずに、冷静かつ臨機応変な対応が必要です。
報道番組等では速報を読み上げることもあり、内容や時間配分などを瞬時に把握しなければなりません。
コミュニケーション能力
業務をこなす上で多くの方と関わるアナウンサーには、コミュニケーション能力が必要不可欠です。初対面の方でも打ち解けられる親しみやすさや、誰に対しても謙虚な姿勢などが求められます。
すぐにコミュニケーション能力を身につけることは難しいですが、気配りや気遣いなど意識することで変えられる部分からはじめてみましょう。身近にいるコミュニケーション能力が高い方を、分析して真似してみることもおすすめの方法です。
表情・顔の印象管理能力
声や言葉だけでなく「表情」や「顔の印象管理」もアナウンサーにとって重要なスキルです。視聴者は声だけでなく表情などからも情報を受け取るため、笑顔や落ち着いた表情が信頼感につながります。
表情筋のトレーニングや鏡を活用して印象確認など、日頃から意識しておくことで安定して好印象を与えられます。
「Voice Camp」ならアナウンサーになるためのスキルを身につけられる
オンラインスクールの「Voice Camp」でも、アナウンサーとしてのスキルを身につけられます。単発レッスンであれば6,500円(税込)からとお手頃な価格でレッスンを受けられるので、中学生や高校生でも受講しやすいです。
発声や滑舌、感情表現などの基本的なレッスンから、ボイスサンプルの作成までさまざまなスキルを学べます。大学や専門学校への進路相談もできるので、プロの講師に進路に関する悩みを聞いてもらえる点も魅力です。
アナウンサーに興味はあるけどなにからはじめたらいいかわからない方は、「Voice Camp」も選択肢の一つにしてみてください。
まとめ｜スキルを身につけてアナウンサーになろう
この記事ではアナウンサーの仕事内容やキャリアパス、必要なスキルについてご紹介しました。アナウンサーの仕事は「正しく伝える」ことを軸にしながらも、表現力や対応力など幅広いスキルが必要です。
アナウンサーになるキャリアパスも就職やフリーアナウンサー、他職からの転身などさまざまな方法があります。スクールや大学で学びながら経験を積んで、実践的なスキルを身につけることが大切です。
将来アナウンサーになりたい方は、自分にあった学びの場を選んで一歩ずつ夢に近づいていきましょう。
