近年、ナレーションや声優活動、YouTube配信などで自宅録音、いわゆる「宅録」に挑戦する人が増えています。今ではスタジオに行かなくても、高音質な録音環境を自宅で整えることが可能になりました。しかし、クオリティの高い音を収録するには、目的に合った機材を揃えることが重要です。
この記事では、宅録に必要な機材一式とそれぞれの役割をわかりやすく解説します。さらに、初心者にもおすすめの宅録機材を厳選してご紹介します。これから宅録を始めたい方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
宅録に必要な機材一式は?

宅録に必要な機材は、基本的に以下の6つです。
- マイク
- マイクスタンド、ポップガード
- オーディオインターフェイス
- ヘッドホン
- PC
- 各種コード
まず「マイク」と「オーディオインターフェース」が基本です。マイクはコンデンサーマイクが定番で、クリアな音質を得られます。インターフェースは音の取り込みを安定させ、ノイズを抑える役割があります。
次に「マイクスタンド」「ポップガード」など、録音環境を整える周辺機材も必須です。編集用には「ヘッドホン」と録音・編集ソフト(DAW)のためのPCが必要です。
それぞれの機材について、まずは役割を確認しておきましょう。
マイク

マイクは、宅録(自宅での録音)の音質を決めるうえで最も重要な機材です。マイクには大きく分けて「コンデンサーマイク」と「ダイナミックマイク」の2種類があります。
宅録で最もよく使用されるのが「コンデンサーマイク」です。声や楽器の繊細なニュアンスまで正確に拾うことができるため、歌録りやアコースティック楽器の録音など、表現力を重視するシーンに最適です。スタジオ並みのクリアな音質を自宅でも実現できるのが、大きな魅力といえます。
近年では技術の進歩により、以前よりも手頃な価格で高音質なコンデンサーマイクが購入できるようになりました。一般的にダイナミックマイクより価格は高めですが、数千円〜50万円以上と幅広いラインナップがあり、3万円以下でも高音質な録音が可能なモデルが多く、初心者にも十分おすすめです。
マイクスタンド/ポップガード

マイクスタンドは、マイクを安定した位置に固定するための機材です。手で持って録音作業を行うと音量のブレやノイズにつながってしまうため、卓上スタンドやアーム式スタンドを使用することがおすすめです。
ポップガードはパ行やバ行などの破裂音を軽減するためのアイテムで、宅録の音質やクオリティーをあげるためには必要不可欠になります。マイクの前に設置することで、よりクリアな音質で録音することが可能です。
オーディオインターフェイス

オーディオインターフェースは、マイクで拾った音をパソコンに取り込むための機材になります。オーディオインターフェイスを使用しないと、ノイズや遅延などが発生してしまうのであらかじめ用意しておきましょう。
また、パソコンで作った音をスピーカーやヘッドホンで聞けるように変換する役割もあります。高品質の音を再生したり録音したりするときは、欠かすことのできない必須の機材です。
ヘッドホン

録音した音や再生中の音を正確に確認したい時は、ヘッドホンも重要な機材です。一般的に使用されているイヤホンでは、低音が強調されやすく実際の音とずれてしまうためモニターヘッドホンがおすすめです。
ヘッドホンには、開放型と密閉型の2種類があります。密閉タイプは音漏れは少ないですが、耳が疲れやすいといったデメリットがあります。開放型は耳が疲れにくいですが、音が漏れやすい点には注意が必要です。
それぞれ得意分野が違うので、目的や使用場所に合わせて最適な機材を使用するようにしましょう。
パソコン

パソコンは録音や編集、ミキシングやマスタリングといった宅録で行う一連の作業を行うために必須の機材です。スマートフォンでも不可能ではありませんが、操作性や作業効率が異なるため、高スペックでなくともかならず用意しておきましょう。
録音や編集を行うDAWソフトも宅録には必要なので、問題なく使用できるスペックのものがおすすめです。DAWソフトも数多く出回っているので、体験版を使用して自分に合うものを購入しましょう。
各種コード

マイクとオーディオインターフェイスをつなぐ「XLRケーブル」や、インターフェイスとPCをつなぐ「USBケーブル」なども宅録には必要になります。ケーブルが不良だとノイズなどの原因になるため、信頼性の高い機材を選びましょう。
おすすめ宅録機材は?

初心者からプロ志向の方まで使える、おすすめの宅録機材をご紹介します。マイクとオーディオインターフェイスを価格帯ごとに解説するので、それぞれ確認しておきましょう。
宅録におすすめのマイク3選
宅録におすすめのマイクを、選び方のポイントと具体的な機種を押さえてご紹介します。「機材を揃えて、環境を整えて、良い音を録る」ことが宅録の鍵です。予算・用途・将来の拡張性を考えて、慎重に選びましょう。
宅録におすすめのマイクは、以下の3つです。
【低価格帯】AT2020

AT2020は1万円台で購入できる低価格帯のマイクで、YouTuberなども含めて多くのユーザーに使用されています。音の透明感が高く、ナレーションや音楽の録音も問題なく使用できます。
耐久性にも優れているためコストパフォーマンスも高く、これから宅録を始める方にもおすすめです。
【中価格帯】Shure MV7
Shure MV7はダイナミックマイクでありながら、ノイズが少なく高クオリティーの録音ができます。USB接続とXLR接続の両方にも対応していて、幅広い環境で使用できる点が魅力です。
専用アプリも用意されていて、音量調整機能やミュートスイッチ、リミッターなども簡単に設定できます。
【高価格帯】ノイマンTLM103

ノイマンTLM103は、プロのナレーターや声優も使用している定番のマイクです。価格は10万円以上になるので上級者向けにはなりますが、圧倒的な解像度と繊細な音の再現性が魅力になります。
ボーカルの息遣いや楽器の空気感などまで集音してくれるので、本格的に宅録をしていきたい方におすすめです。
宅録におすすめのオーディオインターフェイス3選
宅録で重要なのは「マイクなどの音源をきれいにPCに取り込む」「レイテンシー(遅延)を抑えて快適にモニタリングできる」「接続やゲイン操作が直感的で使いやすい」という3点です。ホームスタジオ用途ならまず「USB接続」「XLR入力搭載」「24bit/96kHz以上対応」といった仕様を持つインターフェイスが候補となります。
宅録におすすめのオーディオインターフェイスは、以下の3つです。
【低価格帯】BEHRINGER ベリンガー USBオーディオインターフェイス UM2

5,000円前後で購入できるコスパ抜群のモデルが、ベリンガーのUM2です。必要最低限の機能はすべて揃えていて、接続や設定も簡単なので初心者には最適なインターフェイスになります。
オーディオ機器は取扱いを間違えると壊れやすいので、まずはUM2から宅録をはじめてみましょう。
【中価格帯】ヤマハ(YAMAHA) ライブストリーミングミキサー 3チャンネル

宅録と配信のどちらにも使えるのが、ヤマハのライブストリーミングミキサーです。音量やエフェクトもリアルタイムで調整できているので、配信者から特に人気を集めています。
レイアウトもわかりやすく、パソコンとスマートフォンの2窓配信も可能な多機能のモデルになっています。
【高価格帯】Focusrite フォーカスライト オーディオインターフェース 2イン/2アウト

世界中の宅録クリエイターから愛されている定番モデルで、ノイズの少なさや解像度の高さが魅力です。機能だけでなく赤を使用したデザインも人気で、洗練された外観と優れたオーディオパフォーマンスを両立させています。
プロのナレーション録音にも使える品質なので、本格的な活動をしていきたい方は購入を検討してみましょう。
宅録におすすめのポップガード
宅録環境で「声を録る/ナレーションをする/歌を録る」際には、マイクの前に置くシンプルながら重要な機材として「ポップガード(ポップフィルター)」があります。これは、主に「プラッシブス(発破音・破裂音)/PやBなどの子音による突発的な気流」がマイクのダイアフラム(音を拾う膜)に直接当たるのを防ぐ役割があります。
【低価格帯】Audio‑Technica AT‑PF2 ポップフィルター UM2

Audio-Technica AT-PF2は、Audio-Technica純正のポップフィルターで、ダブルレイヤーのメッシュ構造によって破裂音をしっかり抑えられる点が特徴です。サイズがコンパクトで軽量なため扱いやすく、同社ショックマウントに取り付けられるなど、純正ならではの一体感と安定感があります。
一般的な安価ポップガードと比べると、メッシュの質やアームの安定性が高く、位置がズレにくいことやノイズ低減性能がしっかりしている点が大きな違いです。また、汎用品よりも作りが精密で、声のニュアンスを損なわずに息だけをカットしやすいのもメリット。録音品質を上げたい初心者の宅録ユーザーにおすすめのポップガードです。
【高価格帯】STEDMAN Proscreen 101

Audio-Technica AT-PF2は、Audio-Technica純正のポップフィルターで、ダブルレイヤーのメッシュ構造によって破裂音をしっかり抑えられる点が特徴です。サイズがコンパクトで軽量なため扱いやすく、同社ショックマウントに取り付けられるなど、純正ならではの一体感と安定感があります。
一般的な安価ポップガードと比べると、メッシュの質やアームの安定性が高く、位置がズレにくいことやノイズ低減性能がしっかりしている点が大きな違いです。また、汎用品よりも作りが精密で、声のニュアンスを損なわずに息だけをカットしやすいのもメリット。録音品質を上げたい初心者の宅録ユーザーにおすすめのポップガードです。
宅録におけるマイクスタンド選びのポイント
マイクスタンドはご使用になるマイクや収録環境によって「どれを選ぶか」が大きく変わります。以下、ポイントを確認しましょう、
- マイクの重さとサイズ
- 用途・設置場所
- 高さ/アームの可変範囲、取り回し
- 設置スペースと使いやすさ
それぞれの要素によって使用すべきマイクスタンドは異なります。マイクなどの機材や宅録をする部屋などの環境を考慮しながら慎重に選ぶようにしましょう。
宅録を学ぶなら完全オンラインの「Voice Camp」がおすすめ

「Voice Camp」は、ボイスサンプルの作り方など宅録に関するスキルも学べるスクールです。完全オンラインでのレッスンになるため、日頃から自宅録音に近い環境でスキルアップできます。
目的に合わせてレッスン内容も選択できるため、基本の発声から応用的なスキルまで身につけることが可能です。マンツーマンレッスンなのでプロの講師に相談しやすい環境も整っていて、宅録機材や声を仕事にする進路についての質問もできます。
無料体験レッスンも実施されていて、これから宅録を行っていきたい方でも気軽に利用することが可能です。都度払いであれば1レッスン6,500円(税込)から受講できるので、受講料が高くて悩んでいる方にも始めやすい料金体系です。
「Voice Camp」を受講して宅録を始めることで、声を仕事にする第一歩を踏み出してみましょう。
まとめ|機材を揃えて宅録に挑戦しよう!

この記事では宅録に必要な機材一式と、それぞれの役割について解説しました。宅録は正しい機材を揃えてスキルを身につければ、高音質な録音を可能にします。
マイクやオーディオインターフェイスなどは価格帯によって特徴や機能が異なるため、目的や予算に合わせて選ぶことが大切です。オンラインスクールの「Voice Camp」では、自宅で宅録スキルや機材の選び方のサポートを受けられます。
宅録を始めたい方は、スキルを磨きながら環境を整えて理想の音声表現を実現していきましょう。



