未経験からナレーターになるには?仕事内容・向いている人・必要なスキルを解説

ナレーターは、テレビ番組やCM、企業動画、YouTube、教材などで、映像や情報を声によって分かりやすく伝える仕事です。

原稿を間違えずに読むことだけがナレーターの仕事ではありません。原稿の目的や視聴者を理解し、映像に合わせて話す速さや間を調整したり、商品や作品に合った声の印象をつくったりすることも求められます。

また、ナレーターと声優は、どちらも声を使って表現する仕事です。実際には同じ人が両方の仕事を担当することもあるため、「キャラクターを演じるかどうか」だけでは明確に分けられません。声が作品の中でどのような役割を担うかに違いがあります。

この記事では、ナレーターの仕事内容と役割、声優やアナウンサーとの違い、未経験から目指す方法、向いている人の特徴を解説します。ナレーターに興味があるものの、具体的にどのような仕事をするのか分からない方は、ぜひ参考にしてください。

ナレーターとは?仕事内容と役割

ナレーターとは、映像や音声コンテンツに声を加え、視聴者や聞き手へ情報を届ける人です。

テレビ番組、CM、企業動画、教材、音声ガイド、YouTubeなど、さまざまな媒体で活躍しています。声だけで内容を説明する場合もあれば、映像、音楽、効果音、テロップと組み合わせて情報を伝える場合もあります。

ナレーターに求められるのは、聞き取りやすい声だけではありません。原稿の内容を理解し、媒体や依頼の目的に合わせて、声の高さ、速さ、強弱、間、雰囲気を調整する力が必要です。

ナレーターが担う3つの役割

ナレーターが担う主な役割は、「情報を伝える」「映像の理解を助ける」「印象をつくる」の3つです。

1.情報を正確に分かりやすく伝える

ナレーターの基本的な役割は、原稿に書かれた情報を聞き手へ正確に届けることです。

企業名、商品名、数字、専門用語、固有名詞などを正しく読み、聞き手が一度で理解できるように言葉を区切ります。内容によっては、重要な部分を少し強調したり、情報のまとまりごとに間を取ったりする工夫も必要です。

原稿をただ音読するのではなく、どの情報を最も伝えるべきかを理解して読むことが求められます。

2.映像やコンテンツの理解を助ける

番組や動画では、映像だけでは伝わりにくい背景や状況をナレーションによって補足します。

たとえばドキュメンタリーでは、人物や場所、出来事の背景を説明します。企業動画では、映像に登場する商品やサービスの特徴を分かりやすく整理して伝えます。

ナレーションが映像より目立ちすぎると、視聴者の集中を妨げる場合があります。反対に、声が弱すぎると重要な情報が伝わりません。映像や音楽とのバランスを考えることもナレーターの役割です。

3.商品や作品の印象を声でつくる

ナレーターの声は、商品、企業、番組、作品の印象にも影響します。

同じ文章でも、落ち着いた声で読めば信頼感が生まれ、明るくテンポよく読めば親しみや活気を感じさせられます。高級感、安心感、誠実さ、楽しさ、力強さなど、依頼内容に合った印象を声で表現します。

自分が表現したい読み方を優先するのではなく、クライアントや制作者が求めるイメージを理解し、声で再現することが大切です。

ナレーターの具体的な仕事内容

ナレーターの仕事は、収録ブースや自宅で原稿を読むことだけではありません。案件の確認から音声の納品まで、複数の作業が発生します。

一般的な仕事の流れは次のとおりです。

工程主な仕事内容
依頼内容の確認使用媒体、視聴者、動画の目的、希望する声の印象、収録時間を確認する
原稿の読み込み内容や文章の流れを理解し、強調する言葉や間を整理する
読み方の確認固有名詞、商品名、人名、地名、数字、アクセントなどを確認する
テスト読み声の高さ、速さ、雰囲気が依頼内容に合っているか確認する
本収録ディレクターの指示や映像のタイミングに合わせて収録する
リテイク読み間違い、アクセント、尺、演出などを修正して録り直す
音声の確認ノイズ、音割れ、不要な無音、読み間違いなどがないか確認する
編集・納品必要に応じて音声を編集し、指定された形式で提出する

スタジオ収録では、音響スタッフが録音や編集を担当する場合があります。一方、宅録案件では、ナレーター自身が録音、ノイズ確認、ファイルの整理、簡単な音声編集まで行うこともあります。

また、収録中はディレクターから「もう少し明るく」「落ち着いた印象で」「この言葉を強調して」といった指示を受けることがあります。要望を理解し、短時間で読み方を調整する対応力も必要です。

ナレーターが活躍する主な媒体

ナレーターが活躍する媒体は、テレビやラジオだけではありません。Web動画や音声サービスの普及により、声が必要とされる場面は幅広くなっています。

媒体・仕事ナレーションの主な役割
テレビ番組映像の状況や背景を説明し、番組を進行する
ドキュメンタリー人物や出来事の背景を補足し、作品の雰囲気を伝える
テレビ・ラジオCM商品名や特徴を伝え、短時間で印象を残す
Web広告・SNS動画冒頭で視聴者の関心を引き、要点を短く伝える
企業紹介・採用動画事業内容や企業の魅力を分かりやすく伝える
商品・サービス紹介機能、特徴、利用方法を映像に合わせて説明する
eラーニング・研修教材学習内容を理解しやすい速さと区切りで伝える
YouTube動画解説、雑学、漫画、商品紹介などの内容を補足する
音声ガイド美術館、博物館、観光施設などの情報を伝える
電話・施設の案内音声利用者が迷わないように情報を簡潔に伝える

司会者とナレーターは、どちらも声で進行や情報伝達を行う場合がありますが、基本的には異なる仕事です。司会者は会場に立ち、その場の状況や出演者、参加者の反応に合わせて進行します。ナレーターは、用意された原稿や映像に合わせて音声を届けることが中心です。

ナレーターと声優・アナウンサーの違い

ナレーター、声優、アナウンサーは、いずれも声を使って情報や表現を届ける仕事です。

ただし、仕事の目的、声が担う役割、原稿への向き合い方には違いがあります。それぞれの違いを理解したうえで、自分が目指したい仕事に必要なスキルを整理しましょう。

ナレーターと声優の違い

ナレーターと声優の主な違いは、キャラクターを演じるかどうかではなく、声が作品の中で担う役割です。

声優は、アニメ、ゲーム、吹き替え、ボイスドラマなどで、登場人物の声を担当する仕事が中心です。台本から人物の性格、感情、相手との関係、場面の状況を読み取り、一人の登場人物としてセリフを表現します。

ナレーターは、番組、CM、企業動画、教材などで、視聴者に向けて情報を説明したり、映像の理解を助けたりする仕事が中心です。原稿の内容を整理し、聞き手に直接語りかけるように伝えます。

違いを一覧で整理すると、次のとおりです。

比較項目ナレーター声優
主な役割情報を伝え、映像やコンテンツの理解を助ける登場人物を演じ、感情や行動を声で表現する
主な仕事番組、CM、企業動画、教材、音声ガイドアニメ、ゲーム、吹き替え、ボイスドラマ
原稿の中心説明文、紹介文、案内文登場人物のセリフ
主な聞き手視聴者や利用者へ直接語りかける作品内の相手と会話しながら視聴者へ届ける
重視される技術明瞭さ、情報整理、尺の調整、映像との調和役作り、感情表現、掛け合い、場面への反応
表現の基準媒体、商品、視聴者、依頼内容キャラクター、物語、演出意図
収録方法スタジオ収録または宅録スタジオ収録が中心。案件によって宅録もある

ただし、ナレーターと声優は明確に分断された職業ではありません。声優が番組やCMのナレーションを担当することもあれば、ナレーターが動画内の人物やキャラクターを演じることもあります。

そのため、ナレーターを目指す場合でも、人物の感情や場面を読み取る演技力は役立ちます。声優を目指す場合も、ナレーションで求められる発音、原稿読解、情報伝達の技術を身につけることで、対応できる仕事の幅を広げられます。

ナレーターとアナウンサーの違い

ナレーターとアナウンサーは、情報を正確に分かりやすく伝える点では共通しています。一方で、担当する業務や仕事の進め方には違いがあります。

アナウンサーは、テレビ局やラジオ局などに所属し、ニュース、スポーツ実況、番組進行、インタビュー、現地リポートなどを担当することがあります。原稿を読む力だけでなく、その場の状況を把握し、自分の言葉で説明したり、出演者から話を引き出したりする力も求められます。

ナレーターは、映像作品や音声コンテンツの原稿を読み、情報や世界観を声で届ける仕事が中心です。収録済みの映像や決められた時間に合わせて、読み方や間を細かく調整する場合もあります。

主な違いは次のとおりです。

比較項目ナレーターアナウンサー
主な役割映像やコンテンツへ音声を加えるニュース、実況、進行、取材などを担当する
原稿用意されたナレーション原稿が中心ニュース原稿のほか、自分の言葉で話す場面もある
主な対応収録、尺調整、演出に合わせた読み分け生放送、番組進行、実況、インタビューなど
働き方事務所所属、フリーランス、業務委託など放送局所属、事務所所属、フリーランスなど
必要な対応力演出指示や媒体に合わせて声を調整する現場の変化や速報に応じて言葉を組み立てる

ただし、「ナレーターは収録、アナウンサーは生放送」と完全に分けることはできません。ナレーターが生放送で原稿を読む場合もあれば、アナウンサーが事前収録のナレーションを担当する場合もあります。

仕事内容が重なるケースはありますが、ナレーターは映像や作品に声を加える仕事、アナウンサーは情報を取材・整理し、その場で伝える仕事まで含むことが多い点に違いがあります。

ナレーターになるにはどうすれば良い?

ナレーターになるために必須の資格や、決められた一つの進路はありません。

スクールや養成所で技術を学んでから事務所所属を目指す方法もあれば、ボイスサンプルを作り、制作会社やクラウドソーシングを通じて個人で案件へ応募する方法もあります。

主な目指し方は次の3つです。

  • 養成所、専門学校、大学、スクールなどで学ぶ
  • オーディションやナレーター募集へ応募する
  • 事務所への所属またはフリーランスでの案件獲得を目指す

未経験者は、最初に発声、滑舌、アクセント、原稿読解、マイクの使い方などの基礎を身につけましょう。その後、収録したボイスサンプルを用意し、自分の声や表現に合った案件へ応募していく流れが考えられます。

養成所や大学、スクールで学ぶ

ナレーターになるために必須の資格はありません。ただし、仕事として音声を納品するためには、発声、滑舌、アクセント、原稿読解、表現、マイクワークなど、複数の技術が必要になります。

養成所、専門学校、大学、スクールなどでは、基礎的な発声方法や原稿の読み方を学び、講師から自分では気づきにくい癖について指摘を受けられます。

独学でも練習はできますが、自分の読み方だけを基準にすると、速さ、アクセント、息の音、語尾などの問題に気づきにくいことがあります。録音した音声を聞き返しながら、必要に応じて第三者から具体的なフィードバックを受けましょう。

学校やスクールによって、ナレーションに特化しているところ、声優演技も学べるところ、宅録や音声編集まで扱うところなど、カリキュラムが異なります。自分が目指したい仕事内容と、学べる内容が合っているかを確認することが大切です。

オーディションを受ける

ある程度スキルが身についたら、オーディションに挑戦するのも有効です。制作会社やナレーター募集サイト、クラウドソーシングなどで案件情報を探せます。

最近ではYouTubeや音声配信サービス向けの仕事も増えているため、複数のオーディションに応募するのがおすすめです。応募条件に年齢や経験が指定されている場合もあるので、デモ音源を用意し、情報収集を欠かさないようにしましょう。

事務所やコンテンツ制作会社に所属

ナレーターとして仕事をする方法には、芸能事務所やナレーター事務所に所属する方法と、フリーランスとして案件を受注する方法があります。

事務所に所属すると、事務所が扱っているオーディションや案件を紹介してもらえる場合があります。また、契約内容によっては、報酬の交渉、スケジュール調整、請求などを事務所が担当します。

ただし、事務所に所属しただけで、継続的に仕事を受けられるとは限りません。所属オーディションへの合格後も、案件ごとの選考やボイスサンプルの提出が必要になる場合があります。

フリーランスの場合は、制作会社、クラウドソーシング、SNS、求人情報などを通じて、自分で案件を探します。営業、条件確認、収録、納品、請求まで自分で行うことが多いため、ナレーション技術だけでなく、連絡やスケジュール管理も必要です。

事務所所属とフリーランスのどちらが適しているかは、目指す仕事、営業方法、収録環境によって異なります。所属先の実績、得意なジャンル、契約条件などを確認して選びましょう。

ナレーターに向いている人の特徴

ナレーターに向いている方の特徴は、以下の4点です。特徴が自身に当てはまる場合は、ナレーターとしての素質があるかもしれません。

  1. 文章を読むのが好きな人
  2. 表現力のある人
  3. 読解力や理解力のある人
  4. 努力ができる人

文章を読むのが好きな人

文章を読むのが好きな方は、用意された原稿を読むことが多いナレーターの仕事が向いています。もちろんスキルや表現力も必要ですが、文章を読むことが好きであればナレーションの反復練習も苦になりにくいです。

日頃から文章や本に触れることが多ければ、抑揚や間の取り方なども意識する習慣が身につきます。好きなことであればモチベーションも維持しやすいので、仕事やスキルアップも楽しみながら行えます。

表現力のある人

ナレーターに向いている方の特徴2つ目は、表現力があって作品の世界観を伝えられる方です。文章や台本から伝えたいことを理解して、感情を込めて読み上げることがナレーターには必要です。

ただ言葉として伝えるだけでなく、声のトーンや抑揚、イントネーションなどを活用することが大切になります。話し方ひとつで印象が大きく変わることもあるので、ナレーターを目指す方は表現力を身につけておきましょう。

読解力や理解力のある人

読解力や理解力のある方も、ナレーターの仕事に向いているといえます。文章や台本にはかならず作者の思いが込められているので、汲み取ることが得意なナレーターは重宝されます。

普段から多くの文章に触れることで読解力は身につけられるので、意識して行なっていきましょう。クライアントやプロデューサー、音声やディレクターとの意思疎通も大切なので、コミュニケーション能力も必要です。

努力ができる人

ナレーターとして活躍するためには、継続して努力することが欠かせません。発声練習や滑舌トレーニングといった地道な努力を続けられる方は、ナレーターに向いています。

トレーニングだけでなく音声教材の活用や、他の作品研究が継続して必要になることも覚えておきましょう。また、体調管理や喉のケアといった部分にも気をつけなければならないので、日々の積み重ねが大切になります。

最近よく見るYouTubeナレーターって何?

最近、YouTube動画の解説や商品紹介、企業PR動画などで「ナレーション」が使われる場面が増えています。こうした動画で声を担当する人のことを、YouTubeナレーターと呼ぶことがあります。

YouTubeナレーターの仕事は、映像に合わせて文章を読み、視聴者にわかりやすく情報を伝えることです。ニュース解説、雑学動画、ビジネス系チャンネル、漫画動画、商品レビューなど、さまざまなジャンルで活躍しています。

テレビのナレーターと似ていますが、YouTubeでは比較的身近な案件も多く、副業として始める人が増えています。最近では、クラウドソーシングサイトやSNSを通じて、自宅で収録した音声を納品する「宅録案件」も多く見られます。

最近では、「YouTubeナレーターになれる」と紹介しているような広告も多く見られますが、根本的には生活のために案件を自身で受注し続ける必要があるため、スキルさえあればYouTubeナレーターになることはできますが、継続的に案件を受注していけるかどうかは本人次第です。「案件がもらえます」などを謳っているサービスでも生活していけるような案件を定期的に紹介できるようなところはほとんどないため、注意が必要です。

ナレーターのスキルを身につけるには「Voice Camp」がおすすめ!

これからナレーターのスキルを身につけていきたい方には、ナレータースクールの「Voice Camp(ボイスキャンプ)」がおすすめです。お手頃な価格でレッスンを受けられるため、まずはナレーターの雰囲気を知りたい方でも気軽に利用できます。

料金は月1回~のレッスンが月額6,500円(税込)~と手頃な価格帯になっています。定期的にキャンペーンも開催されており、入会金無料などのキャンペーンを行っている場合もあるのでお得に利用が可能です。

完全オンラインレッスンなので、仕事や学業で忙しい方でも受講しやすくなっています。近くにスクールがない地方の方も、場所を問わないオンラインレッスンを活用してスキルを身につけていきましょう。

ナレーターを目指す場合は、発声や読み方だけでなく、実際の案件を想定した原稿練習も重要です。テレビ番組、CM、企業動画、YouTubeなど、用途によって求められる声のトーンや速さは異なります。

また、宅録案件へ応募する場合は、マイクの使い方、録音環境、ノイズ対策、音声編集、ファイル形式などの知識も必要です。音声の内容が良くても、生活音や反響が入っていたり、指定された形式で納品できなかったりすると、修正を求められる可能性があります。

Voice Campの宅録/ナレーター講座では、ナレーションの読み方に加えて、自宅収録に必要な知識や実践的なスキルも学べます。ナレーション未経験の方や、自宅から案件へ応募したい方は、講座内容を確認してみてください。

まとめ|スキルを身につけてナレーターを目指そう

ナレーターは、番組、CM、企業動画、教材、YouTubeなどで、映像や情報を声によって分かりやすく伝える仕事です。

原稿を正確に読むだけでなく、内容を理解し、聞き手や媒体に合わせて、声の高さ、速さ、強弱、間を調整します。映像の理解を助けることや、商品・企業・作品の印象を声でつくることも、ナレーターの重要な役割です。

声優との主な違いは、キャラクターを演じるかどうかではなく、声が作品の中で担う役割にあります。声優は登場人物としてセリフを表現する仕事、ナレーターは視聴者に向けて情報を説明する仕事が中心です。ただし、両方の仕事を同じ人が担当することもあり、必要な技術が重なる部分もあります。

未経験からナレーターを目指す場合は、発声、滑舌、アクセント、原稿読解、表現の基礎を身につけたうえで、ボイスサンプルを用意し、自分の声に合った案件やオーディションへ応募しましょう。

宅録案件に挑戦する場合は、読み方だけでなく、録音環境、マイクの扱い、ノイズ対策、音声編集、データの納品方法についても学ぶ必要があります。

Voice Campでは、ナレーションの基礎から、案件を想定した原稿の読み方までオンラインで学べます。自宅収録にも対応できるナレーターを目指したい方は、宅録/ナレーター講座もご確認ください。

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